東大入試実況中継





2月18日〜2月22日。


新しい問題に手をつけないのが定説。
いままでやった問題、模試の復習と物理の見直しを徹底する。
物理に関しては難系をやっていたが、電磁気がニガテだったので、
「名門の森」の電磁気の問題だけをピックアップしてといた。


このころになると、風呂に入っているときでも不安になる。
湯船につかりながら、未来の見えない自分、なんて不安なんだろうか。
いままでの模試の結果から考えれば、不合格になるのは当然だった。
というか、不合格を確信していた。
合格した今だからこそ余裕で受かったように見えるけれど、


本当にあと一年余分に勉強できるのかなぁって、すごく考えた。




早稲田の試験は快心の出来で、合格は確信していた。



「東大にこだわる必要なんてないよ、俺はよく頑張ったよ」


そう逃げ出したくなるのをこらえ、湯船に頭を沈めた。






試験一週間前、河合塾からこんな電話が来た。



「シーボくんが合格したらウチの広告に出してもらっていいかな?」





僕は返事に戸惑った。
だって受かるわけないじゃん。
そう思ったが、体裁を繕うため、オーケーの返事。




でも不思議なんだよね。
こういうのって、返事するとやる気が出てくるんだ。
自分は合格しなければならない」って本当に思ったね。






2月23日。



余裕を持って上京。
宿に慣れるという意味でも早めに着くとよいだろう。
早稲田、慶應の受験で都会の電車にも慣れた。

ホテルでは部屋番号427(死にな)の部屋を頂く。
クレームするほどでもないだろうけど、正直ウザかった。
ここのホテルではチェックインのとき、キットカットをくれたのだが。


部屋でたくさん持ってきた参考書を広げる。


紫本(東大オープンの過去問)
青本(東大実践の過去問)
白本(東大プレの過去問)
難問題の系統とそのときかた。
名門の森×2



などなど。
たくさんもって来すぎて、重すぎた。


使い古した難系をみると、しみじみとした思いに駆られた。
とりあえず英語のリスニング対策が皆無だったので、
つい先日親に買ってきてもらった、(親を動かすことで買い物の時間を勉強にまわす)
CDプレーヤー東大オープンのリスニングをやる。



ホテルのレストランで食事する。
刺身とか、すごく高級品で(゚Д゚)ウマーだった。


そして就寝。
意外に早く
眠ることができた。

でも電車の音が聞こえるんだよね、0時30分ぐらいまで。



2月24日。


同じ大学を受ける人と下見。
正確に言えば、案内してもらう。
御茶ノ水駅近くの端で待ち合わせ。


世間話をしながら、大学到着。



ここで30分ほど個人行動に。
シーボは大学の空気を一人で体感したかったのだ。
多少、同じ大学を受ける人に迷惑かなーとも思ったのだが・・。


アカデミックな風に触れ、
「ここで勉強できたら最高だろうな〜」
そう感慨にふける。


下見を終え、昼食をとるためマックへ。
エンゲル係数がどうの・・・云々の話をする。


やっぱり見知らぬ土地で不安になっているところで、
知り合いに会えたっいうのは合格の重要なファクターかもしれない。
ずっとホテルに篭っていたらきっと精神的にやられてた。


宿に帰還。

空気の乾燥を防ぐため、湿ったタオルを床にしく。
これは受験の鉄則。
乾燥で喉がやられては意味がない。





受験日に最高のコンディションを持っていくのも実力です。




試験日に体調が悪かったと言い訳する人間がいますよね?
僕はこう思うわけです。





「体調管理や精神管理ができないようバカだったんだなぁ」と。






イメージで表すと、僕の中ではこういうことなんです。




(試験での実力) = (普段の実力)× (体調・精神変数)




注: 体調、精神変数は1以下の正の実数


普段の実力 100のA君でも、体調・精神変数が0.8だったら80の実力しか出せません。
普段の実力 90のB君で、変数が0.9ならばA君に勝てるんです。




つまり、体調や、精神っていうのは合否を左右する重要な要素なんです。




このことは受験生の頭の中に必ずいれておいて欲しいことです。





9時ごろ就寝準備をするも、
11時ごろ親のメールで起こされる。
迷惑ですよ、ママン(笑)
キレ気味なメールを送ってしまった。
ちょっと後悔する。



その後、目が冴えてしまい、興奮で胸が高鳴る。
センター試験前に身につけた、精神コントロールの方法で、なんとか就寝。


そうそう、シーボはセンター3日まえに、精神をコントロールできるようになった。
なんていうんだろう、自分の心臓が大きくなっている状態があるとします。
その心拍数を、抑えることができるようになりました。
精神論が入っているように思われますが、この悟りを開くとなかなかいいですよ☆

だんだん宗教が入ってる気がする






2月25日。





大学前には長蛇の列。


入試のとき、あの有名な赤門は閉まっていて、そこから入場はできない。
正門からしか入れないうえ、入場の際には受験票(センター・二次)の確認が行なわれるので、大学前は非常に混雑する。
45分前に東大前に到着したシーボでも、かなり待たされた。
このとき、周りの雰囲気に飲まれてはいけない。
皆頭よさそうにみえて、シーボは不安になったが、意外とみんなバカである。
だってこんなシーボが受かったんだもん。
結果論かもしれないし、落ちた人には凄く悪いけれど、
東大受験生でも意外とバカなんですよ。
大事なのは自分の力を出し切ることです。





そんな中でシーボは、




「こいつら受験生を何人か殺せば(゚Д゚)ウマーなのに」
と思うも、



「いやまず俺がタイ━━||Φ|(|゜|∀|゜|)|Φ||━━ホ!!!!!! はマズイ!!!」




「そんな人間がこの大学を受験してはいけないぜ、兄者」





など天使と悪魔の葛藤が繰り広げられますた。




そして東大に入場。
僕が受験したのは、正門入って左側の5号館だったかな。

試験会場に女の子が多くて、




「さすが理Uだなぁー女の子多いや」



と思いました。



注:理Uは東大の中でナンバー2の女子比率を誇る科類である。






深呼吸をしながら試験開始を待つ。
初日の今日は国語と数学。
どちらも暗記要素は少なく、シーボは気楽に受けようと思った。



自分の中では




国語45点、数学25点で70点とれればいいやーて思ってました。
深呼吸を何度かして、試験開始。




○国語。



緊張は思ったほどない。
漢文も割に読める。
古文も似た文章を読んだことがある。
現代文、形容詞しがたい内容だが、
解答の骨組みは見える。
あとは丁寧な字で解答を作成。
感触としては上々。






漢字の問題で「帽子」って漢字を間違って書いたのに気づいたときは、
小学生から出直そうと思いましたけどね。









休み時間に同じ高校の蛙さんとか、他の人にメールしようと思うが、
さすがにそれは迷惑だろうと思って、やめた。






○数学。

問題をザッと見た限り、
僕の能力で完答できそうなのは
大問1の数列、大問6の直交円柱の体積。
部分点を狙えるものは大問3の微分、大問4の整数。

この4問にしぼって解答作成することに決定。





「慌てる乞食はもらいが少ない」(大学への数学)


と、慎重に解答を作成していく。






そして悲劇は襲来する。











解けない・・・・・・・












全く解けない・・・・・・・















このときは本当に泣きたくなった。
いったい何のために勉強してきたのか、
目の前に広がる偽りだらけの解答用紙。
正解をねじまげて、歪曲して、自分の都合のいいように。
頭に血が昇っているのがわかる。
冷静さを欠いている。
自分の頭の中の全てが、
ぐるぐる回る。
緊張なんかしてないさ。
自分の無力に腹立たしくて、
前の席では淡々と解答してる人間が座ってるんだ。
あらかじめ決められた、
決して覆ることのない能力の差。
「どうして僕はここに座っているんだろう?」
ただその疑問だけが、頭の中に響いていた。






そして試験終了。






「死んだ」ではない。







「絶望」だ。





全体の20%くらいしか自信がなかった。
もっといえば、2割しか、納得できなかったのだ。




宿に戻り、通夜みたいな気分で、
出された食事を詰め込んだ。





もう完全に落ちた。




でも、カバンについてる二つのお守りを見た時、
同じ大学を受験した人からのメールが届いた時

ボロボロになった参考書を見た時、

全てが吹き飛んだ。




「今しかできないことがある」




そう言い聞かせ、




2日目の化学の勉強をはじめた。
ちなみに使ったのは紫本の化学、物理。





注:このときシーボは人生最大の絶望を味わっていた。
幸いなことに、東大の入試は2日間である。
1日目のできがわるくても、絶対気にしてはいけない。
うまくわりきって、最大限の力を発揮しよう。




2月26日。




前日の夜は不思議な感覚だった
なんていうか、


「自分がもう、入試の真っ最中にいるんだ・・・」



って思いながら、ホテルのイスを使わず、
床に座ってみて、白い柱をボーっとみたりしました。





出発前に白い紙に「5」を書く(縁起担ぎ)











(´-`).。oO( 5を書く


(´-`).。oO( 5おかく


(´-`).。oO( ごおかく


(^Д^) 合格!!



こんなことでも気合いが入る。
2月の寒さに緊張感が備わる。




ホテルを出るとき、ホテルが用意するお弁当をもらいわすれそうになったりして、
「緊張してるんだなあ」と思う。





試験会場まで、前日と同じ経路で行く。
同じ受験生の流れの中で、ライバルたちと一緒に歩く。

不思議な気分だ。






「東大ってダサい人が多いのかなー」
とか、思いながら受験生を眺めていると、イケメンばかりが目につき、
ちょっと意外だったなぁ。




試験会場。


トイレに入ると、結構混んでいる。
トイレの中で、誰かが吐いて苦しそうにしていた。



(´-`).。oO( うーん、お大事に。



試験はいつものように開始される。






(´-`).。oO( あれ






(´-`).。oO( 僕の隣の席の人が欠席してる







(´-`).。oO( 昨日もいなかったなぁ・・・







(´-`).。oO( ライバルが一人へった。嬉しい。





理科。(化学60点満点 物理60点満点 試験時間合計150分)





東大理科は時間との勝負。
問題の難易度自体は他の国公立大学レベルのスタンダードな問題だが、
いかんせん問題が多すぎる。

物理、化学ともに大問が3問ずつで、その3問がさらに2つにわかれます。


実質、75分で6問の東大レベルの問題を解く必要があるんです。
相当きついです。








問題をザッとみわたす。
物理の大問3の問題文にあった、
「気体」に((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル






まずは化学から。

大問3の有機分野。

元素分析値から組成比を算出するも、
炭素数が予想よりやけに多い。
計算しなおし、らしき値に。
残りの設問は流れ作業で完答できた。
(後日、ベンゼン環の図示の仕方が例年と違うことが判明)





(´-`).。oO( まぁ天下の大学がそんなことで大きく減点しないよな




<後日談>


合格発表まで、このことでメチャクチャびびってたシーボです(汗






大問2の無機分野。


(A)のテーマはCOD。


ん?

CODの値を算出?




キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!




「化学IB、Uの新演習」105番の問題と一緒だ!!!!!!!!!!!!





せっせと解答する。
(後日、最後の最後で計算ミスしていることが発覚(ノ∀`) アチャー )









大問2の(B)、テーマはアルミニウム。


ん?




アルミニウム?






試験直前、
NHK教育でみたテーマキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!











ありがとうNHK。



大学生になってもきっと受信料は払いますよ。







そして完答。





大問1へ。
ヤバイ、時間がない。

とりあえず(B)、テーマは平衡。
二酸化窒素の光の透過度を扱った問題。


苦戦しながらもなんとか解答作成。


時間が押してきたので物理に戦場移動。


大問1。テーマは単振動。
みたことある図。



ん?





よくみると・・・・・





「難問題の系統とその解き方」の例題と酷似。




というか難系より問題設定が簡単。





せっせと解答作成。





大問2、テーマは磁界と誘導起電力。

瞬殺。


おそらくこの理科の中で最も簡単な問題だったろう。






大問3


気体分野だと思ったが原子と波動の融合問題。

ド・ブロイ波長の公式に代入し、せっせか解答作成。


最後の選択肢を野生のカンで「オ」とするも、
理性的なカンで「ウ」とし、正解。





そして理科の試験は終了。




昼食。
ホテルからもらった弁当(゚Д゚)ウマー






英語。



ざっと大問を見渡し、予定通りに取り組む。


大問1、要約。
「我々は生来、リズムと調和を持ち、
偉大なアスリートは皆高次の自我を達成する。
高次の自我を達成し、人生をよりよくする必要がある」


と要約。
(´-`).。oO( 具体例を含めてますがなにか?
(´-`).。oO( この英文の題名にアスリートが入ってますよ
(´-`).。oO( 言い訳に聞こえますか?



パラグラフ整序はトバシ。



大問2、英作文。

「図を自由に解釈し、英文で表現しなさい」とのこと


キャシーは彼女の息子、ボブに対して怒っている、なぜなら彼女のお気に入りの花瓶を割ってしまったからだ。彼は彼女から逃げ、彼女はさらに怒っている。


と脳内で変換し、英訳。
文法ミスがなかったことを祈りたい。

ちなみに花瓶は「vase」だそうです。
(´-`).。oO( flower-potって書きましたが何か?
(´-`).。oO( 「花盆」って意味なんですって。
(´-`).。oO( 花盆って何なんですかね。
(´-`).。oO( キャシーとボブっていったい誰ですか?


(B)もうひとつの英作文。

コミュニケーションの仕方について。




話すことで意思疎通をする人もいれば、あまり話さなくても意思疎通できると信じる人もいる。大切なのは自分のコミュニケーションスタイルを確立し、お互いのコミュニケーションスタイルを理解しあうことなのだ。





と脳内変換。
(´-`).。oO( 「嘘つき男と泣き虫女」っていう本の受け売りですがなにか?
(´-`).。oO( 死んでもいえないよな
(´-`).。oO( ちなみに洋書ですが何か?





大問4、文法をこなしているときにリスニング5分前。


問題文を読み、概略を把握。
リスニング開始。




(´-`).。oO( なんだか音が小さいな
(´-`).。oO( 俺より後ろの席の人は大変だな
(´-`).。oO( 後ろに100人くらいいるんだけどな






リスニング終了。



大問4の和訳をせっせかこなす。
「doctrine」を教義と訳せた自分に感動。
えっ?普通ですって?
トルーマン・ドクトリンって世界史でやったよな・・・






そして大問5の小説。

「灯台」のお話。
(´-`).。oO( 絶対シャレだよな・・・



適当に読み終わり解答作成。



そして放置した大問1のパラグラフ整除。


適度に見直ししていたところ、チャイムがなった。


「これで自分の(今年の)受験は終わったんだ・・・」


一日目よりかなりよくできたので、多少笑顔を浮かべたが、
やっぱり不安で、


「もうこれで自分でできることはないんだなぁ・・・」


ってしみじみ思いました。


そしてホテルに帰還。
赤門から出てくるときに業者から配布された解答速報など見る気も起きず、
開放感ともいえない不思議な感覚だった。


後日、実家へと帰還した。



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